・草木染めの命名
明治以降、染色は簡単に多彩な色彩を表現できる化学染料が全盛となりました。 その後の昭和5年12月、青木斌氏によって、古来の染料や染色技術の調査研究の集大成として、東京で展覧会が行なわれ、その展覧会の名称に「草木染」の言葉が用いられました。 このとき以降、草木を中心とする自然植物染料で染色することを「草木染め」と言い慣わすようになりました。
・草木で染めること
草木の持つ色素を煎じ出した液(染液) に布を浸け込み、媒染剤を使用して布の繊維に色を定着させることを 染める といいます。
・植物はみな色素と渋(タンニン)を持っていて、そのタンニンの量により、時間とともに酸化することで色が変わってきます。
・媒染による色の違い
・アルミ系の媒染剤では明るい色に、 鉄系の媒染剤では鉄とタンニンが化合することで黒っぽい色になります。
・自然から得られる染め色は、化学繊維には染まりません。草木染めに用いる素材は絹、綿、羊毛、麻などの自然素材を使用します。
・動物由来の繊維である羊毛や絹には綺麗に染まりますが、植物由来の繊維の綿や麻などは染まり付きはよくありません。
・染色素材
身近にあるいろいろな植物の 草・根・木・皮 いろいろな部分を利用します。
香房 やまぶどうでよく使用する植物
サクラ(花、枝、葉)、クリ(イガ、枝)、臭木(実、がく)、ビワ(葉、枝)、クチナシ(葉、実)、ベニバナ(花)、アカネ(根)、アイ(葉)、セイタカアワダチソウ(全草)、オオマツヨイグサ(全草)、ススキ(全草)、クズ(全草)、アカソ(全草)、マリーゴールド(花)、カモミール(全草)、ミント(全草)、お茶、タマネギ(皮)、ブルーベリー(実)、
・草木染めの色
草木から取り出せる色は沢山ありますが、採り出しにくい色もあります。それは、素材が少量しか産出されないとか幾度となく手をかけないと定着しない色で、鮮やかな赤や濃い紫、黒などがその色です。
一般的な草木染め手法でよく採る色としては、茶色の系統、黄色の系統、橙色の系統、鼠色の系統、青色の系統があります。
・草木染めの道具
・ 鍋 ・ ボール (共にステンレスかホーロー製) ・ 秤 ・ 温度計
・ 媒染剤 ・ 助剤 ・ 酢酸等